先日、在外公館派遣員制度の試験説明会に行ってきました。
試験説明会と言っても、試験内容の説明はほとんどなく在外公館派遣員制度全般に関する説明という感じでしたね。
でも、なかなか細かいことまで説明してもらえるし、質問にも丁寧に答えてもらえるので、派遣員の試験受験を考えている方には良い機会だと思います。
今日は、説明会で聞いた、「へ~知らなかった」という情報をQ&A形式でお伝えしていきます。
※派遣員を考えている考えている方向けの内容です。
そもそも、在外公館派遣員制度って何?という方は、まずはこちらをご覧ください★www.rejanaq.com
在外交館派遣員制度を簡単に
簡単に言うと、外務省から各国にある日本大使館、総領事館へ民間人が派遣され、2年間限定で語学を活かして業務を行う制度です。
仕事内容は主に「便宜供与」と呼ばれ、国会議員等日本からの出張者のために外交活動のサポートを行います。具体的には、ホテルや航空券の手配、会議場の手配、ホテルの予約、空港への出迎え、送迎などが含まれます。
もっと詳しく
ここからは、もっと踏み込んだ情報をば。
【全般的なこと】
Q. 派遣員は全体で何人くらいいる?男女比は?
A. 2017年9月現在で約270名。女性の方が多く、男性の2.2倍。
説明会でも女性が圧倒的多数でした。青年海外協力隊等やワーホリでも女性の方が多いようですが、海外に興味があるのは女性の方が多いってことなんでしょうね。
Q. 大使館と総領事館の違いは?
A. 役割が異なるが、派遣員に関することで言えば、大使館は首都にあり総領事館はその他の大都市にある。規模も違う。
派遣員は、大使館だけでなく総領事館に赴任する可能性もあります。勤務先は首都だけじゃないってことですね。
メインの仕事内容は同じとのことですが、公館によって仕事量、内容もろもろに違いがあるそうです。
Q. 任期が3年から2年に短縮されたのはなぜ?
A. 2015年の労働者派遣法により、雇用の上限が3年までに改正されたから。
在外公館派遣員の任期が、最近3年から2年に変更になりました。 何でだろう?と思っていたのですが、派遣法改正のためだったんですね。
つまり、また派遣法の変更がない限りは任期はこの先も2年間と思われます。3年の方がいいと思っていた身としては残念。
Q. 延長はできるのか?または短縮は可能か?
A. やむを得ない理由で早期に帰国する人はいるが、もともと2年未満しか勤務できないと分かっている状態での応募は不可。業務や後任の関係で任期の延長はあり得るが、その場合でも短期の延長のみ。
原則2年で、それ以上でも以下でもないってことですね。
Q. 子供や配偶者の帯同は認められるか?その場合、帯同する者は赴任先の国で働けるか?
A. 家族の帯同は可能。ビザの手続き等行えば働くことも可能。
→ 実際に派遣員として働いていた方よりコメントを頂きました。
説明会では上記のような回答があり、実際にお子さんや配偶者の方と一緒に赴任する方もいるということでしたが、現実ではなかなか難しいようです。
現行の制度では手当等も充実しておらず、配偶者や子供を連れて行って養うことはほぼ不可能です。お勧めはできません。配偶者が現地の言語に精通していて、現地で職を得ることが可能である場合にのみ可能かと。
ということです。
一応帯同可能な制度はあるけど、現実問題使えるか?というと、かなり条件が限られそうです。
【選考に関すること】
Q. 赴任先の公館は考慮されるか?
A. できるだけ希望に沿うようにするが、定員があるのでそうならない場合もある。
応募書類として提出する身上書に、希望の赴任先を書くことができます。
「できるだけ希望に沿うようにする」とのことなので、もしも行きたい国があるなら遠慮なく書きましょう!
Q. 応募書類に「行けない国」を書いたら選考で不利になるか?
A. 不利にはならない。正直に書いてほしい。
こちらも身上書に「希望しない国、地域」を書くことができます。
建前なのかもしれませんが・・・とりあえず、不利にはならないということです。少なくとも「どこでもOK!」としておいて、合格通知をもらったときに「やっぱり無理」となるよりはいいと思います。もし再受験を考えているようなら、印象を考えるとなおさら。
親の反対や治安の心配がある人も少なくないと思います。行けない国、地域があるなら正直に書きましょう^^
Q. もし合格通知が来たときにその国には行けないという理由で赴任を断わったら、再受験は可能か?
A. 再受験は可能。
説明会の中で、これを質問した人がいました。その人の質問は「再受験で不利になるか?」でしたが、回答は「再受験はできる」というもの。
私の意見ですが、確実に不利になると思います。だって、私が採用する側なら、またこの人断わるかもって思いますもん。繰り返しになりますが、身上書は正直に書きましょう。
Q. 平均年齢は?若い方が有利か?
A. 派遣員の平均年齢は約25歳。年齢は選考には関係ない。
25歳と聞いてびっくりしました。そんなに若いの!?
でも、その後のキャリアを考えると当然なのかもしれません。派遣員のメインの仕事は便宜供与。平たく言えば、雑用です。つまり、人生経験にはなってもスキルやキャリアという点ではちょっと弱いかも。任期が2年間あることを考えても、若者が多いのも納得です。
でも考え方は人それぞれ。人生経験を重視するなら年齢は関係ないのでは、と思います。私もそっち派^^
【待遇に関すること】
Q. 有給は何日あるか?長期休暇は取れるか?
A. 有給は年に20日。業務次第で長期休暇も可能。
結構恵まれてますよね。私は今派遣社員をしていて1年目の有給は年に10日ですから、なんと2倍もある!
ちなみに、週休2日で、日本の祝日+赴任国の祝日も休みだそうです。
→ 実際に派遣員として働いていた方よりコメントを頂きました。
赴任国の祝日が、日本で定められている祝日の日数に満たない場合は、その範囲内で一部日本の祝日も休館日となります。なので、実際には、残念ながら日本で生活しているよりも休日が多くなることはありません。
Q. 報酬は24~39万円と差があるのはなぜ?
A. 公館によって、生活環境や業務内容、量に差があるから。住宅手当や賞与もあり。
派遣される公館によって事情は様々なようです。
報酬は業務量、業務内容や治安などによっても違うと聞きました。
→ 実際に派遣員として働いていた方よりコメントを頂きました。
報酬の違いは赴任地の主に不健康レベルで決まります。国によっては、徒歩や公共交通機関等で出歩くことが出来ず、自家用車を所持”しなければならない”等の事態が発生します。(他にも自宅に私費で警備員を雇う等)これらの理由から、赴任先によって給料が大きく変わります。
とのことです。
私の派遣員経験者の友人も、給料は治安、危険度によって違うと話してました。
Q. 住居はどうする?
A. 前任者の住居を引き継ぐ場合が多い。
特にこだわりがなければ、前任者の住居をそのまま引き継ぐことが多いそうです。
勤務地までのアクセスが抜群(つまり都会の一等地?)だし、治安も保証されているので、住宅の心配はいらなそうです。
ちなみに、以前友人が派遣員をしていましたが、部屋が何部屋もある豪邸のような家に住んでました!
赴任国の状況によるところが大きいようですが・・・。
Q. 社会保険に加入できる?
A. 社会保険に加入の義務がある。また雇用保険にも入るので、任期終了したあとは失業保険も受け取れる。
国の仕事ですので、この辺は心配いらないです。
【進路に関すること】
Q. その後の進路はどのようなものが多いか?就職あっせんなどはある?
A. 進路は本当に様々。民間の企業に就職する人もいれば、外務省に入る人もいる。あんせんなどはない。
ま、任期終了後は自分の力で頑張ってくださいということでしょう。
ただし、希望者には「本官採用」で外務省に入るという道があります!(下記参照)
Q. 派遣員の任期終了後、外務省に就職できるというのは本当か?
A. 誰でもというわけではないが、チャンスはある
語学が堪能で現地の事情に精通した優秀な派遣員には、外務省の国家三種職員として採用(本官採用)されるチャンスがあります。
外務省への就職を希望するなら、任期中に上司へアピールしてみましょう♪
おわりに
どうでしたか?在外公館派遣員制度についてちょっと詳しく書いてみました。
説明会はいい機会ですから、もしも興味がある方はぜひ参加して職員や元派遣員の方に直接質問してみるといいと思います。
また情報が入ったらアップしまーす。では!