試行錯誤な旅人生

放浪の旅から帰国した30代女。旅を続けていきたい人生と現実問題の間で、たまーに悩んで試行錯誤しながら前進(?)中。

在宅でできる医薬翻訳は副業に向いているか?【副業フリーランス】

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こんにちは、りあです!

私は普段はフルタイムの派遣社員ですが、仕事が終わった後や週末はフリーランスで医薬(メディカル)翻訳の仕事を受けています。最近流行りの副業フリーランスです。

医薬翻訳の仕事を始めて1年半が経ったので、医薬翻訳は副業に向いているか?や仕事の始め方、報酬はどれくらいか?などお話ししたいと思います。

ちなみに、個人の感想ですので、全員に当てはまるわけではございません。

 

 

医薬翻訳は副業に向いているか?

結論から言うと、向いている人にはとっても向いている!と思います。

そして、向いていない人には向いていないと思います。

当たり前ですね ^^;

 

私が思う、医薬翻訳の副業に向いている方というのは、①医薬翻訳を一生の仕事にしたいと思っている、②お金よりもスキルアップ、③結構に時間に融通が利く方です。

逆に向いていない方は①医薬翻訳にこだわりはなく副業なら何でもいい、②稼ぎたい、③スキマ時間に稼ぎたい方かな~と思います。

あくまで個人の感想です。

 

医薬翻訳に限らず、翻訳というのは、いくら英語が大好きでも、結構しんどい仕事だと思います。何時間も言葉に向き合って、調査、リサーチ、検索、悩みに悩む・・・の繰り返し。

製薬・医療機器メーカーも翻訳にかける費用をどんどん削っているので、なかなか翻訳会社も大変そうです。なので、私たち翻訳者の単価というのも下降傾向です。機械翻訳の精度もどんどん良くなっているので、単価の下降に拍車をかけていますね~。

そして、翻訳というのは結構まとまった時間が必要であって、かつ、いつ仕事の依頼が来るか読めないので、「今日は3時間空いているから、この時間を利用して稼ぎたい」みたいなことはほぼ不可能だと思います。

 

ですが、英語が好きで、メディカルの分野に興味があるなら、医薬翻訳の仕事は人によってはとてもよい選択肢かも。

私が医薬翻訳の副業を気に入っている理由は、①在宅でできるので便利、②都市部に住んでいなくてもできる、③スケジュールは自分次第、④知識欲を刺激される、⑤年をとってもできる、⑥良い翻訳者になれば仕事はなくならない、こんなところですかね。

「割のいい仕事ですよ!」とは言えないけど、なかなか楽しいです。

メリットとデメリットを比べてみて、医薬翻訳の世界に踏み出すか、決められると良いと思います ^^

 

将来、医薬翻訳の仕事はなくなるか?

AIに取って代わられる仕事で、必ず翻訳が上位にランクインしますよね。

翻訳の仕事をしてるって話をすると、「翻訳の仕事ってそのうちなくなりますよね?」とか言われることもあります。

失礼な話です。翻訳やったことないでしょ?って言いたいです。言わないですけど。

AIがどこまで進化するか、翻訳の仕事がなくなるかどうかは、まだ誰にも分からないんじゃないでしょうか?ベテランの翻訳家や専門家だって、分からないようですし。

 

でも、個人的には、翻訳の仕事が0になることはないと思います。

日本語でも英語でも、一回読んだだけでは「は?」となるような複雑な文章が存在します。一つの言葉がどの言葉を修飾するかの解釈や、フレーズをどこで切るかによって意味が変わったり。そういう文章は今の機械翻訳では正しく訳せないようです。将来は分からないけど。

でも、やっぱり簡単な文章や機械的な文章は、機械翻訳で事足りてしまいますよね。

なので、きっと人間の翻訳家に回ってくるのは、分けのわからん難解な文章のみ・・・となるかも > <

なので、機械にできない翻訳ができる実力のある翻訳家さんはきっと生き残っていくのではないかと予想します。私もそうなりたいなぁ。

 

医薬翻訳の仕事を始めるには?

メディカルのバックグラウンドは必要か?

私は医薬翻訳の中でも、治験や臨床試験関係の文書をメインに受けています。

そして、正社員時代と派遣社員を合わせてかれこれ10年くらい医薬品・医療機器の開発の仕事をしています。

医薬翻訳の仕事をするにあたって、メディカルの知識が必要か?と言えば、あった方が絶対有利だと思います。

バックグラウンドがあれば、治験独特の言い回しにも慣れているし、こういうことね!と推測ができることがあるので、時間の短縮になります。

でも、医薬翻訳をやっている方の中には、メディカルの仕事の経験が全くない方もたくさんいます。

私が通っていた翻訳学校の生徒さんは、すでにフリーランスの翻訳家として仕事を受けている方も多かったですが、バックグラウンドがない方が大半でした。翻訳学校の先生(ベテランの翻訳家さん)も語学の専門家であって、メディカルの仕事の経験はない方でした。

なので、バックグラウンドがある人に比べて勉強しなくてはならないことは増えるけれども、決して不可能ではないということです。

 

翻訳学校に行く必要はあるか?

翻訳学校の授業料はなかなかお高めなので、行くのを躊躇しますよね・・・。

私もどうしようか迷いましたが、今は行って本当に良かったと思います。というか、行かなければ翻訳の仕事を始められなかったと思います。

英語がすごく得意でも、医薬翻訳の経験がない場合、どうやって訳し始めればいいか分からない人も多いと思います。

翻訳学校に行けば、どうやって訳せばいいか?の要領がつかめるので、初心者の方にはおすすめです。

授業料は25万円くらいかかりましたが・・・仕事をするようになれば、元は取れます(私は半年以上かかりましたが)。

 

派遣社員として働いてみるのもおすすめ

最初からフリーランスとして翻訳会社と契約するのは、最初からプロとしての品質を求められるので、未経験者にはハードルが高いものがあります。

でも、派遣社員であれば、分野によっては未経験可の求人もあるので、まずは派遣社員として働いてみるのもアリだと思います。

私も、フリーランスとして翻訳会社と契約する前に、派遣で1年間安全性(副作用)情報(PV)の翻訳をしました。経験にもなるし、周りの経験者の方に質問できたりするので勉強にもなりますよ!

 

トライアルの準備

初めてのトライアルを受ける前は、自分の実力が十分か不安になりますよね。

翻訳学校に行っていても、実践の経験がないと、自分にどれくらいの実力があるか分かりません。

そういうときは、翻訳ネットワークサイト「アメリア」での仮想トライアルで練習してみるのをおすすめします。

アメリアでは「定例トライアル」という模擬トライアルが毎月開催されていて、メディカル分野も数ヶ月に1回開催されています。

答案を送ると採点してくれるのですが、時間がかかるので、答案をわざわざ送らなくても解説を見て自己採点をすることができます。

過去の問題と答案や解説も全部見られるので、これを参考にしてトレーニングしていくと、結構力がつきます。和訳と英訳、両方あります。

 

いざトライアル 

未経験でトライアルを受けさせてくれる翻訳会社はそう多くはないですね。 私が探したときは7~8社でした。

問題がすごく難しい会社もあるし、採点が厳しい会社もあります。逆に難易度がそこまで高くないこともあります。

どういう会社なのかは受けてみるまで分からないので、落ちたとしても落ち込まずに、受けられるトライアルを片っ端から受けていく。という方法しかないと思います。

私は月に2回トライアルを受けるという目標を立てて、7社受けました。最初は要領がつかめず落ちることも多かったですが、最終的には4勝3敗という結果でした。落ちたところは、いずれ再チャレンジしようと思います。

 

トライアルに受かっても仕事が来ない!

トライアルに受かっても、必ず仕事が来るわけではありません。

私は4社合格したのですが、2社からはゼロ、1社からは1回だけしか仕事が来なくて、コンスタントに仕事を頂いているのは1社だけです。

理由は、スケジュールが限られていること(平日の夜と週末)やトライアルの成績があるのかもしれませんが、本当の所は分かりません。

なので、副業で翻訳をするとしても、複数の翻訳会社に登録しておくのは良い戦略だと思います。

副業なら、できるだけ大手に登録するのが良いのではないかと思います。

大手ならば受ける仕事の量やバリエーションが多くて、週末で仕上げられるような小規模案件を抱えていることも多く、仕事を依頼されるチャンスも増えると思います。

 

どれくらい依頼が来る?

トライアルに受かったばかりの、実績が全くない最初の段階では、1~2ヶ月に1回くらいしか仕事の依頼はありませんでした。数ヶ月何の音沙汰も無かったことも。

1つ1つの仕事を丁寧に仕上げていくうちに、半年くらいした頃から少しずつ仕事が増えてきて、今はほぼ毎週仕事の依頼を頂けるようになりました。

経験が浅くて翻訳の実力が足りなくても、できることがたくさんあります。

例えば、翻訳の参考資料をもらえる場合は、もらった参考文書の中に似た表現がないかを徹底的に探してコピーする。ネットでのリサーチを頑張る。訳抜けやケアレスミスをなくす。ダブルチェックを徹底するなど。

翻訳力と同じくらい大事なことです。翻訳力以外のところで自分の評価を上げる方法はたくさんあります。

 

和訳?英訳?

私の場合、英訳の依頼が圧倒的に多いです。5:1くらいかな。

和訳専門の翻訳者さんの方が多いそうですので、英訳ができれば、それだけチャンスが増えます。

可能であれば、英訳力を鍛えておくのが良いと思います。

 

どれくらい稼げる?

私の場合、医薬翻訳は副業なので、翻訳で得られる収入というのは全然安定していません。

依頼される翻訳の分量によるので、1ヶ月4~5万のこともあれば、15万以上のこともあります。

単価は、未経験の場合だと、英訳は1ワード5~6円、和訳は1文字7~8円くらいが相場らしいですが、私の単価も大体そんな感じです。そして機械翻訳や翻訳ツールにより、そこからさらに割引されたりします。

この単価だと、生活していくにはなかなか厳しいものがあります。

難易度が高い案件、低い案件、色々ありますが、時給にすると平均1500円も行かない気がします。

翻訳会社との信頼関係が築けていれば、単価の交渉も可能だそうですが、私は副業で作業できる時間が限られている負い目もあって、まだ交渉をしたことがないです。

でも、いずれは単価交渉をしてみたいな。その結果もいずれお伝えしたいです。

 

おわりに 

どうでしたか?副業フリーランスとしての医薬翻訳の仕事についてお伝えしました。

医薬翻訳者になるまでには、学校に行ったり、トレーニングしたり、翻訳支援ツールを買ったり、時間もお金も結構かかります。

やっと翻訳家としてデビューしても、それからもなかなか苦労もあります。

将来性もどうか?と言えば、実力次第だろうとは思っていても、仕事がなくなる不安は常にあります。

そんな感じで厳しい面もあるお仕事ですが、仕事自体が面白い、在宅でできる、スケジュールの自由がきくなどのメリットも大きくて、私はこの仕事を楽しんでやっています。

いずれは本業フリーランスになりたいと思います。でも、そのときも翻訳一本ではなく、他の仕事も受けていきたいです。

とりあえず、私の医薬翻訳事情はこんな感じです。

みなさんはどうでしょうか?一緒に頑張っていきましょう!