こんにちは!りあです。
今日は、「アンに聞く」シリーズ第2弾!(アンはうちにしばらく泊まっているフランス人の友人です)
テーマは「子育て」について。
フランスは先進国では数少ない、出生率の改善に大成功している国です。
フランスでは女性の社会進出は日本よりも進んでいるし、離婚率も高いのでシングルマザーも多い。そんな状況で、いったい育児と仕事をどうやって両立するの?と思いますよね。
話を聞いてみると、公的補助はもちろん、保育のシステムからお母さんの育児やキャリアに関する考え方から全然違う。
全てを真似することはできなくても、日本もフランスの「子育て」から学ぶものも多いのではないのでしょうか。
はじめに
厚労省の発表によれば、2016年の日本の出生率は1.44。とても深刻な数字です。
日本の子育て環境を考えると、そりゃ「子供を産めない」と思って当然だよね・・・と思いませんか?
まず、体力的負担。共働きともなれば相当なものになります。
毎日、朝ごはんの支度から始まり、保育園に子供を連れて行ってから出社し、時短勤務で早めに退社して保育園のお迎え、夕食の買い物と支度、その他の家事・・・。
子供の体調が悪ければ、仕事を休んだり早退しなくてはならないし、キャリアか子育てか選ばなければならないというのが実情ではないでしょうか。
さらに経済的な負担も大変なものです。何人か子供がいて全員が大学まで進学するとなれば、家が建つくらいの資金が必要でしょう。
私は2人姉妹でしたが、「お前たちの大学の費用でベンツ一台潰れた(TへT)」と親によく言われました(笑)。
一方のフランスはどうでしょうか。
2016年の出生率は2.01。1994年には1.66まで落ち込みましたが、見事に回復しています。
アンによればフランスでは子育てについての心配事は少ないそうで、「何人子供がほしい?」と聞いたら「3人か4人」と言っていました。実際、フランスでは普通の数だそうです。
日本人女性に聞いたら、そう答える人は少ないのではないでしょうか。
日本とフランス、何が違うのでしょうか?
公的補助が充実
フランスでは、子育て=お金がかかるものという認識がありません。
ヨーロッパでは普通ですが、フランスでも公立高校(誰でも入れる)まで授業料が無料。大学もほとんど無料のような安い授業料で通うことができます。
日本ではランドセルや制服、体操服にも安くない金額がかかりますが、フランスにはそういったものもありません。
また子供がいる家庭への手厚い家族手当もあります。
給付の金額は、子供の人数や子供の年齢、シングルマザーなど、様々な条件によって違うようですが、家族手当はフランスの社会福祉の大きな柱であり、とても重視されています。
子供の人数が増えるほど手当の額も増えるので、複数の子供を産むのをためらうということが少ないようです。
保育システムが充実
フランスの保育システムはとても進んでいます。
フランスでは、出産後にもちろん時短で働く人もいますが、フルタイムで働く女性も多いと聞きます。シングルマザーも多いので、「子供を預けられる場所があるか」が重要な鍵になります。
保育ママ、ベビーシッター
日本ではまだあまり一般的でない保育ママやベビーシッター。
フランスでは保育園とともに、多くの家族が利用しています。
特に初等教育が始まる3歳まで、親が働いている間に子供の面倒を見てくれる重要な存在です。
有料サービスではありますが、利用料は高くないため、多くの家族が利用しています。
またベビーシッターも一般的。大学生のアルバイトとしても一般的なようで、保育園や小学校が終わったあとや夜間、週末など、比較的時間に自由がきき重宝されているそうです。
ちなみに、フランスに限らず欧米ではオーペアという方法も一般的。海外からの留学生や長期滞在者に一日数時間子供の面倒をみてもらう代わりに、住む場所(空き部屋など)や食事を提供します。子供は様々な文化に触れることができ、海外留学生は生活費が無料ですむので、両者にメリットがあります。
学童保育
学童保育と和訳していいのか分かりませんが、学校が終わったあとに子供の世話をしてくれる資格を有するスタッフによるサービスがあります。こちらも多くの共働き世帯が利用する一般的なサービスです。
様々なアクティビティ、遊びの他に宿題を見たり、食事の提供もあり、日本の学童保育よりサービスの範囲が広いです。
預かってくれる時間は、地域によっても違うようですが、だいたい夜の7時頃まで。仕事帰りでも間に合う時間になっています。
そしてなんと面倒を見てくれるのは放課後だけではないそうです。
朝は6時半頃から預けられ、そこから学校へ連れて行ってくれます。
また、フランスの学校では昼食が自由で家に帰る子もいるそうなのですが、親が働いている子のために同じスタッフが学校に来て食事をとれるよう補助してくれます。
無理なく働ける労働環境
フランスではサービス残業などは存在しません。就業時間が終われば、みんなさっさと帰っていきます。
休暇制度も整っており、年間の有給休暇は5週間!
子供の夏休みも長いので、一緒にバカンスを楽しむなど、子供と過ごす時間を長く取れるようになっています。
母親の子育てに対する意識
上に書いたように、フランスには育児を支援する色々なサービスがあり、全てをお母さん一人(ときにお父さん)で担っている日本とは全く違うことが分かります。ちなみにフランスでは子育て以外の家事代行サービスを使うのも一般的。
日本だったら、例えば育児の多くを外部のサービスに頼ったり他人に任せたりしたら、「母親なのに怠けている」と言われそうです。
でも、フランスではそうではありません。
「フランスでは、子供の世話は誰か他の人がやる職業」というアンの言葉が印象的でした。
もちろんフランスの親が育児を放棄しているわけではありませんよ。
ただ、外部のサービスをうまく利用して育児を分担することで、親の負担を減らす。
母親が育児を頑張りすぎなくていい。仕事をしたりおしゃれをしたり夫婦で食事に出かけたり自分の時間を大切にしながら、子供と接する時は思い切り楽しみます。
番外編:恋の機会が多い
アンと話していて、意外と出生率改善に貢献しているのでは・・・と個人的に思ったのがこの部分。
恋の国、フランス。若いときだけでなく、年齢を重ねてもホームパーティなど出会いの機会が多いそうで、いくつになっても恋愛を楽しみます。
アン曰く、離婚者が多い分、年齢が上がってもチャンスが多いよ!(笑)と。
また、日本人は独身者が多いと驚いていました。
恋愛に積極的なお国柄も少子化対策に貢献しているのかもしれませんね。
おわりに
どうでしたか?フランスの子育て支援。
日本とだいぶ違うと思いませんか?
また日本の子育て文化は親子の距離が近かったりいい所もありますが、共働き夫婦が増えたことを考えると、このままのシステムでは少子化が改善することは難しいと私は思います。
もちろん税制や社会システムが違うので、フランスのやり方は素晴らしい、日本のやり方はダメだと一概に言うことはできませんが、海外の成功例を参考にして、日本でも安心して子供をできる国になるといいと思います。
★ 他の「アンに聞く」シリーズはこちら ★
www.rejanaq.comwww.rejanaq.com